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大動脈センター Aoritic Center


 急性大動脈解離,大動脈瘤の破裂などの急性大動脈疾患は生命を脅かす緊急疾患であり、救命のために迅速な診断と治療が必要です。私共は地域の公的基幹病院における心臓血管外科としてこれらの救急患者さんを広く受け入れ救命していく責務を担っているものと自ら任じております。
 急性大動脈疾患の救命率向上には発症から治療開始までの時間が重要な要素となるため、診療の依頼があった場合は速やかに対応することが望ましいと考えられます。そのため当院では関係各部門が連携する大動脈センターを設立し、これらの患者さまを即時受け入れる方針として原則緊急手術にて対応しております。



急性大動脈疾患入院数


急性大動脈疾患入院数


■大動脈解離に対するハイブリッド手術

大動脈解離に対するハイブリッド手術


■腹部大動脈瘤破裂に対するステントグラフト治療

腹部大動脈瘤破裂に対するステントグラフト治療



大動脈治療における手術方法の多様化と理想的な診療体制
 当院では上記のような急性大動脈疾患の救命と治療の実現に理想的な以下のような諸条件を整えております
  1. 救急外来での十分な診療体制が整っている。
  2. "ハイブリッド手術室"を有し、幅広い治療の選択が可能である。
  3. 開胸開腹人工血管置換術と"ステントグラフト"治療の双方の手技に精通している。
  4. 術後の集中治療に専任した医療体制が整備され、多臓器の合併症に対しても集学的治療が可能である。
 

大動脈治療のあり方は"ステントグラフト"の登場によって激変し、体に負担の少ない治療が可能となりました。2014年4月からは"ハイブリッド手術室(大型透視装置を併設した手術室)"が稼働し、より精度が高くかつ幅広い大動脈治療が可能になっています。
 急性大動脈解離や大動脈瘤破裂に対する治療方法においても、前述の大動脈"ステントグラフト"を応用した治療方法の有効性が広く認知されつつあり、個々の患者さまに応じた最適な手術方法を救急の現場で迅速に選択し施行することが求められています。
 「大動脈センター」では心臓血管外科を中心とした協力体制の下、救急患者の受け入れから診断、手術、術後管理を行い,地域医療に貢献してまいります。