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心臓血管外科 部長メッセージ Message


大阪市立総合医療センター循環器センター
心臓血管外科部長
青山孝信



HISTORY - 略歴 -

1997年・・大阪市立大学医学部卒業
2003年・・大阪市立大学大学院修了・ベルランド総合病院
2007年・・大阪市立総合医療センター
2008年・・大阪厚生年金病院
2015年・・大阪府済生会野江病院
2018年・・大阪市立総合医療センター


認定医・専門医

日本外科学会専門医・指導医
日本心臓血管外科学会専門医・修練指導医
大動脈ステントグラフト実施医(腹部)
下肢静脈瘤血管内治療実施医
弾性ストッキング・圧迫療法コンダクター
医学博士


MESSAGE - メッセージ -

 心臓血管外科では成人の僧帽弁閉鎖不全症・大動脈弁狭窄症などの心臓弁膜症や狭心症といった心疾患、胸部大動脈瘤・腹部大動脈瘤などの大動脈疾患、および閉塞性動脈硬化症などの末梢動脈疾患、さらには下肢静脈瘤に至る幅広い心臓血管疾患の手術治療を行っています。
 また大阪市の中核病院として、急性大動脈解離や大動脈瘤破裂などの緊急症例を循環器内科と共同のハートラインの運用や救命救急センターと連携して積極的に受け入れ、緊急手術を行っています。
 近年、心臓血管外科手術においても他の領域の手術治療と同様に低侵襲、小切開手術が増加してきています。当科では以前からこのような低侵襲、小切開手術を積極的に導入してきました。2011年から胸部・腹部大動脈瘤に対してステントグラフト内挿術を導入して順調に症例数を増やしています。また2016年からは高齢者の大動脈弁狭窄症に対して循環器内科と共同でカテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)を開始しています。2019年からは本格的に小切開心臓手術(Minimally Invasive Cardiac Surgery : MICS)を導入し、弁膜症手術を中心に行っています。さらに2021年からはロボット(ダ・ヴィンチ)支援下手術も開始し、僧帽弁弁形成術を中心に行ってきました。残念ながら2023年からロボット支援下手術は一旦中断しておりますが、現在は再開に向けて準備を進めております。
 末梢動脈疾患においてもバイパス術や血栓内膜摘除術などの外科手術とカテーテル治療を併せたハイブリッド治療も行い成績の向上を目指しています。
 下肢静脈瘤に対しては低侵襲な血管内焼灼を行ってきましたが、2023年からはさらに低侵襲な血管内塞栓術(グルー療法)を導入しました。また、多くは難治性である静脈うっ滞性皮膚潰瘍に対しても皮膚科や皮膚・排泄ケア認定看護師(WOCナース)と連携して治療に当たっています。
 現在の循環器疾患は心臓血管外科、循環器内科のみならず多職種で構成されたハートチームとして治療に当たることが推奨されています。当科もハートチームの一員として個々の患者様に最良の治療を行うことを目指しています。
 さらに当院は多数の診療科を有し、多数の専門医が勤務する総合病院であります。心臓血管疾患をもつ患者様は糖尿病や腎障害など複数の併存症を有する患者様も少なくありません。悪性疾患を合併している患者様も増加しています。また、起こって欲しくないのですが術後に様々な合併症が生じる事もゼロではありません。どのような併存症、合併症に対しても総合病院の強みを最大限に活かして関係診療科と協力しながら最善の治療に取り組んでいます。
 一人でも多くの患者様に安心、安全を第一に最良の治療を提供し、早期に社会復帰をして頂くことを目指すと共に、24時間体制で急性大動脈解離や大動脈瘤破裂に対する緊急手術の受け入れも行い地域医療に貢献できればと考えおります。  本年も心臓血管外科医師一同は日々一層精進して参りますので、どうぞよろしくお願い致します。